個人事業主と法人の違いは?営業許認可は必要?/相談10年目のコーディネーターによる創業相談Q&A
創業を考えていらっしゃる方だけでなく、既に創業されている方にも参考になるかと思いますので、是非、ご一読ください。
はじめに
平成26年6月に「あきた企業活性化センター」内に開設された企業経営に関するワンストップ無料相談所「秋田県よろず支援拠点」において、県内中小企業の皆さまのご相談にのっております。
これまで様々なご相談がありましたが、直近3年間の実績では全体の約1割が創業に関するご相談でした。
今回は、創業の準備を進めておられる方々からの“よくある質問”を中心にご紹介していきます。
Q1 創業とは?
「お客様の困りごとを解決するために商品やサービスを提供すること」とお伝えしています。
ご自身の事業で提供できる商品やサービスの内容について、どのような特徴があって、どこで提供するのか、どのようなお客様に来ていただきたいのか、価格はどうするのか、etc.、創業される前に、一つずつ丁寧に考えていくことが大切です。
Q2 個人事業主と法人の違いは?
個人で事業を立ち上げる際の手続きは、税務署に開業届を提出することで足ります。
一方、法人を設立するためには、定款の作成や社会保険・税務などの手続きが必要となり、やや難しい印象があります。
しかし、社会的信用が得られることや利益が大きくなると節税効果が見込めることなどのメリットもあります。
Q3 事業として成り立つの?
ご自身の特技や経験、人脈などから、まずはどのような商品・サービスが提供できるか考えてみましょう。
併せて自分がやりたいことや叶えたい夢などについても整理してみてください。
それらが社会の求めるこんな商品やサービスがあったらいいなというニーズにマッチしていれば、起業する事業分野として理想的と言えます。
さらに、事業名や屋号・商号についても考えていきましょう。
Q4 価格の決め方は?
価格の設定にあたっては、まず競合他社の情報を集めるところから始めましょう。
注目するポイントは、「商品・サービスの品質」「価格」「プラスαのサービス」です。
競合他社との比較において、ご自身の事業がどのような強みや特徴をもち、差別化できるポイントはどこなのか、ということを把握することが価格設定の決め手になります。
さらに、今後の事業展開に向けて、業界の動向をリサーチしておくこともお勧めしています。
Q5 集客はどうすれば?
集客活動は、まず商品やサービスを利用されるお客さまの特徴を考えるところから始まります。
ターゲットとなるお客さまの年齢や性別、家族構成から住まい、仕事や年収、行動パターンなどを絞り込んだうえで、店舗の立地や来店手段、商圏なども考え併せて、集客方法を決めていくことになります。
具体的には、チラシなどのツールを使った営業活動や折り込み、フリーペーパー等への広告掲載のほか、 SNSを活用したインスタグラムやLINEなどの方法があります。
Q6 必要な資金はどのくらい?
創業にあたっては、事業所借入のための保証料のほか、事業に必要な環境を整えるための改装費や機器等の購入費といった設備資金とともに、事業を回していくために必要な仕入代金や家賃、水道光熱費、広告宣伝費など最低でも3か月分の運転資金が必要となります。
これらすべてを自己資金で賄うのか、出資を受けるのか、あるいは金融機関から融資を受けるのかを決める必要があります。
融資を受ける場合には審査があり、自己資金の割合や事業で返済できる可能性などがチェック項目となります。
Q7 営業許認可は必要?
例えば飲食業は保健所の許可、理・美容業は保健所への届出、人材紹介業・人材派遣業は労働局の許可、介護事業は県知事の許可、中古品売買は警察署の許可が必要となります。
Q8 従業員雇用の際の手続きは?
従業員を雇用する場合は個人・法人を問わず、社会保険等の手続きが必要となります(個人事業主の専従者を除く)。詳しくは、社会保険労務士にご相談ください。
よろず支援拠点では、「働き方改革推進支援センター」の社会保険労務土と共に、毎週火曜日の午後1時~5時に補助金・助成金相談会(予約制)を行っていますので、ぜひご利用ください。
秋田県よろず支援拠点にご相談ください
秋田県よろず支援拠点では、創業をはじめとした様々な経営相談に対応しております。
ぜひご相談ください。
秋田県よろず支援拠点(電話番号:018-860-5605)
このコラムの執筆者
コーディネーター
鎌田 晶子(Kamada Akiko)
主な経歴
商社に勤務後、子育てを経て平成23年に中小企業診断士登録。秋田県よろず支援拠点では、ジェネラリストコーディネーターとして中小企業・小規模事業者の皆さまの創業から売上拡大、経営改善まで幅広い分野のお悩みに対応しております。