バックキャスティング・フォアキャスティングとは? 中小企業は市場のニッチゾーンを狙え!/アフターコロナの経済社会システムに向けて
今が、アフターコロナの経済社会システムに向けた「転換」時期です。
事業継続は「変化への対応力」で決まる。
そのためには「仮説と検証」の徹底を!
どのようなビジネスモデルで進めるか
ニッチ市場=小さい・ 狭い市場ではありません。
市場全体の一部を構成する特定のニーズ・需要のことを指しています。
そのためにはどの様なビジネスモデルで事業を進めるのかが重要です。
ビジネスモデルとは価値が生まれ続ける(事業を行っている意味そのもの)仕組みです。具体的には、問題解決と報酬の流れ、顧客が生まれ続ける仕組みです。
そしてビジネスモデルを回す力(リソースと、それが生み出すオペレーション)で、事業の結果として生じるモノ(ブランド、データ、経験など)が蓄積リソースとなり、事業の結果を表す数値(利益、キャッシュフロー )に繋げるためのもので、顧客が自社を選ぶ理由となります。
具体的には「小売モデル」 「消耗品モデル」「サブスクリプションモデル」など体表的なものは十数モデルありますが、ビジネスモデルには組み合わせることで実際には数百のパターンで事業が行われています。
主なビジネスモデル型
- 販売モデル
(例)メーカー、WEB制作、創作物の販売 - 小売モデル
(例)ブティック、スーパー、書店 - トータルモデル
(例)居酒屋、100円ショップ - 消耗品モデル
(例)家庭用プリンター、HP制作後の保守管理 - コレクションモデル
(例)漫画単行本、コレクション玩具 - サブスクリプションモデル
(例)携帯電話、不動産賃貸、メ ールマガジン - マッチングモデル
(例)人材紹介、予約サイト - 広告モデル
(例)フリーペーパー、WEBメディア、テレビ - ライセンスモデル
(例)キャラクターのグッズ化 - 2次利用モデル
(例)CDアルバム、映画DVD、詩集 - フリーミアムモデル
(例)ソーシャルゲーム、Dropbox
良いビジネスモデルの条件
- 継続性
- 模倣困難性
- 最大化された提供価値
バリューチェーンにおける組み合わせ
さて、国内の商業販売額を、ご存じでしょうか?
2021年の商業販売額は551兆9,100億円です。
人口減少でマーケットサイズは縮小していますが、なんと卸・小売りとも5年連続の増加を記録しています。
市場規模が縮小してもニッチ市場を狙うことで中小企業も十分成長する可能性があります。
また、EC取引も急激な増加をしていますが、実は2021年における国内のEC化率はBtoBは35.6%、BtoCは8.78%で、まだまだ、既存の提供方法が主となっています。
ちなみに世界のBtoCのEC化率は 19.6%です。
今のうちに新しいビジネスモデルで事業の成長を図りましょう。
ここでBtoBとかBtoCという言葉が出てきましたので説明します。
大文字表記のB、C、D、G、Eはそれぞれ
- Business(企業)
- Consumer(消費者)
- Direct(直接)
- Government (政府)
- Employee(従業員)
を表します。
例えば BtoB(Business-to-Business、企業間取引)は、企業と企業の間で行われる取引です。
また、BtoC(Business-to-Consumer、企業対消費者間取引)は、企業から消費者に対して行われる取引で、いわゆる小売りを指します。
この様に「ビジネスモデルの組み合わせ」と 「バリューチェーンにおける(BtoCなど)の組み合わせ」そして、両方の組み合わせで事業が行われています。
また、「お客様のためにと思って行うこと」と 「お客様の立場になって行うこと」は必ずしも一致しません。
お客様の立場で、しっかりと仮説を立て検証し続けることが重要です。
これからの経営に求められること
事業再構築型成長を含めてアフターコロナの経済社会システムに向けた「転換」が必要です。
大転換期において過去の延長線上で物事を捉えることの危険性は明確です。
これからの経営は【Backcastingによる未来創造戦略(着地点を決めて、そこに向けて現時点からのマイルストーンを決めるアプローチ)】が重要となります。
現代社会において、会社を取り巻く環境が厳しく、現状にいかに対処するかということで精一杯という企業も多いと思います。このような状況は自由で創造的な発想が生まれにくくなっていると思います。
企業は社会やマーケットの大きな変化に合わせて行動していかないと、長期的に見て生き残りが難しいのが現実です。
現状で起きている課題を解決するためにはどうしたら良いのか、どんなリスクが生じ得るかなどを予測しつつ、対処していくことを目的に戦略を練るなど現時点を軸として、先に思考を進める考え方であるフォーキャストではなく、長期的な観点で戦略を立て、自社のブランドカや人材力、競争力を高めていく必要があります。
そのためには、今起きている課題に対処するだけでなく、あらかじめ未来の企業の理想像や目標を定めて、そこに向かって達成するための具体的なアクションを取っていくバックキャスト的な思考が求められています。
バックキャストのメリット
- ゴールや目標を先に設定できる
- 組織の意思決定がしやすくなる
- 理想の姿を事前に共有できる
- 大きく飛躍させることができる
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このコラムの執筆者
チーフコーディネーター(経営コンサルティング)
松浦 忠雄(Tadao Matsuura)
主な経歴
大手流通企業に勤務後、独立し現在は、商業・流通業や中心市街地活性化支援を得意とする経営コンサルティング会社の代表で、国・県の中小企業支援機関にて、商業・製造業など幅広い分野での支援実績も豊富。